敵は、いくらでも周囲に身を潜められる。

周りは、『守り人』ではなく、訓練だけを受けた、草族の『護衛』が守っている。

白亜は、闇色の服を身にまとって、舞台のすぐ横の闇にひそんだ。

『歌会(ウタカイ)』をするのに、理想的に、明るい。

ニナは、白亜のいるすぐそばを通って、突然現われた。

舞台の脇。

兵隊に周りを固められて。

ニナは白亜の頭上を颯爽と歩き去る。

すそまで流れる白い衣装。