白亜は頭に来たが、ニッコリと笑ってやる。

「半人前なんかいらない。オレは護衛なんかいらないんだ。帰れ」

何でかわからないが、その瞳にはほとんど憎しみのようなものが見て取れる。

何だっていうんだ?

ニナは、白亜のそばを通り過ぎ、部屋から出て行った。

「前の護衛を亡くしたばかりなんで、苛だっているんでしょう」

髪の長い、女の『守り人』が最後に姿を現わしながら言った。

「あら、白亜じゃない」

女の『守り人』は、額に紋章を描かれていた。