『こちらムササビ!詩織さんが家から出て来たみたい。ドーゾ!』


『こちらイボイノシシ!そのまま尾行を続けて下さい。ドーゾ!』


「何なんだ?その『ムササビ』とか『イボイノシシ』ってのは……」


無線機で連絡を取り合う子豚に、シチローが問い掛けた。


「やぁ~ねぇ♪
コードネームじゃないの♪よくスパイ映画とかで使ってるでしょ♪」


ちなみに『ムササビ』がひろきで『イボイノシシ』が子豚の事らしい。


「あのね……コードネームっていうのは、盗聴の恐れがある時に使うの!今は全く必要ないから!」


そんな所にばかりこだわりを持つ子豚に、シチローは呆れた顔で説明した。



『こちらヤンバルクイナ!それで詩織さんは、どっちの方向へ行ったの?』


「ティダまで一緒になって……」



4人がそんなやり取りをしている間、詩織は新宿の繁華街の方へと歩いて行った。