それぞれが風呂からあがると、俺は戒さんと同じベッドで眠ることになった。


こうやって肩を並べて眠るのはどれぐらいぶりだろう。


小さいころ…いや、つい最近まで戒さんは俺の部屋に来ては昼寝…ときには本寝をしていった。


必然的に俺も彼の隣で眠る。


それでも半年以上、こうやって隣り合って眠ることはなかった。


そのブランクが、久しく忘れかけていた感覚を呼び起こし、何だか妙に気恥ずかしかった。


俺はごろりと横向きになると、戒さんに背中を向けた。


ガキじゃあるまいし。


何で男二人で寝なあかんの、なんて思いながら目を閉じる。


セミダブルとは言え、大学生と高校生の男二人で寝るにはちょっと狭い。


戒さんは、俺が羨ましいと思うほど寝つきが早い。


まさに「おやすみ3秒」


ちょっと黙ってたら、すぐに寝息が聞こえてくる。


―――筈だった。


「なぁ」


暗闇の中で戒さんのちょっと低い…そして男の色気を含んだ声が響いた。






「俺が青龍に行く言うたら、お前は反対する?」






暗い部屋で、乾いた声だけが静かにこだましたように思えた。