訝しげに思っていると、戒さんは青龍会との盃の件を話し出した。


もちろんその裏で婚姻関係を結ぶ協定が出来ていることも。


寝耳に水だった。


そんな話が浮上していたなんて……


そんな俺の考えを他所に、戒さんはえらくご機嫌だ。


「めっちゃ可愛いやろ?♪♪俺、運命感じちゃった♪」


「はぁ!?」


思わず素っ頓狂な声を上げる。


運命て……そんな…こんな写真一枚で??


「一目ぼれ言うの?俺の女神や!」


女神って……いやいやいや…


「戒さん、この子と会うたことあるんですか?」


「いや」


戒さんの即答に、俺はがくりと首をうな垂れた。


今までだって、真剣に恋愛なんてしてこなかった……いわゆる恋愛ビギナーな戒さんが、こんな写真一枚で女神とか…


ありえないよ。


「ちょぉっと気ぃが強そうやけど、そこがまたそそられる言うの?」


戒さんは俺の反応に構わずにこにこ顔で続ける。


「そうですか?俺にはいかにも儚げな頼りなさそうなお嬢様に見えますけど?まぁちょっと高飛車そうではあるけど…」


「そうかぁ??絶対俺より強そうやで?」


いやいや。ドSの戒さんより強い女って…考えられないよ。


もしそうなら絶対うまくいかないって。





俺はアメリカから帰ってきた戒さんの、ごっつぅ土産話にただただ唖然とするしかなかった。