「慧(ケイ)さん」


俺はアッシュグレーの男を見て、


「累(ルイ)さん」


そして茶髪の男を順に見た。



「なんであなたたちがここに居はるんですか?」



最初に思っていた疑問を俺はようやく口に出来た。


「何って、おとーとに会いに来たに決まってるジャン」と長男の慧さん。


次男の累さんは「うん、うん」って具合で頷く。







「あなたたちの弟はアメリカやないですか!?」







そう、彼らは正真正銘、戒さんと血の繋がったお兄様がた。


俺は昔から何故かこのお二人に可愛がられて気に入られて(?)いる。


生意気な戒さんが二人の言うことを聞かないから、黙って話を聞くタイプの俺がいいらしい。


って言うか、二人にとって単に扱いやすいってことだ。





「あの可愛げのないクソガキは放っておいて」


慧さんは何故か額に手をやって、ふっと涼しく笑った。


かっこつけてるところも、昔から変わらない。でも妙に絵になるんだよね…





「「朔羅ちゃんはどない?」」





と二人して、俺を覗き込んでくる。