「俺、捨て子だったんです」
「えっ...」
あたしと一緒...?
「けど、俺が捨てられたのは中1の夏。今にも倒れそうなところをお父様に救われ、ここで一生働くことを誓ってここに置いてもらいました。当時の蓮様、大雅様、隼斗様は大変でしてね...。当時、隼斗様は中学3年生、蓮様と大雅様は小学2年生。とても大変でした」
そっか...
「川嶋さんは、お母さんの顔とかって覚えてるんですか?」
「親の顔ですか?うろ覚えですが覚えてます」
まだ川嶋さんは両親の顔、覚えてるんだ...
「玲華様は....」
「全然覚えてないです」
悲しく首を振る
「きっと、蓮様は似た雰囲気に引き寄せられたのでしょう」
「似た雰囲気?」
「はい。玲華様と初めてお会いした時、守ってあげたいと不覚にも思ってしまいました」
守ってあげたい...?
誰を?
「蓮様がご心配されるのもよく分かるんです、俺」
「どうしてですか?」
「玲華様はとてもクールなので、好きかどうかっていうのは分からないからだと思います。あ、でも!!それでどうってことはないですから!!!」
とても戸惑ってる川嶋さん
...こういう人が捨てられちゃうんだ...
やっぱり...あたしもめんどくさくなったのかな...?

