だけど...もうそんな願いは叶わない...
何を想っても大雅は居ない...
触れたくても大雅はどこにも姿は...
「ごめん、ホントに」
笹岡蓮があたしを抱き締める
「俺...最低なことして...ごめん...」
笹岡蓮が...謝ってる...
だけど、そう思うことよりも怖くて...
つい泣いてしまった
大雅が居なくなったこと、大雅に会えないこと
そして怖かったこと
全部を洗い流したくて
「アイツの代わりにはなれねえのか...?俺...」
「っ...」
笹岡蓮が、寂しそうな目であたしを見つめる
前も大雅が同じ目をしたことがある
大雅とケンカした日
『もう前みたいに戻れねえのか...?』って...
今の笹岡蓮と同じ目であたしを見つめた
その時の顔と、重なっては離れる
「あたしは...大雅じゃなきゃ嫌...」
全部は...大雅が良かった...

