「しょうがないと思いました...。親がしたことは決して許されることではなかったですから...。ずっと...陰から玲華様は見ていました...だけど...絶対笑顔は見せなくて...大切なものを無くしたんだと...はっきりわかりました...」


「今現在、親の行方は分かりません。携帯に連絡しても繋がらないので...多分携帯も解約されてると思います...。何処で何をやってるのか...調べれば分かると思いますが、俺は絶対知りたくもありません」


「アイツらは...俺や玲華様を簡単に捨てたんです。ですから...俺は...っ」


「お母さん達...どんな人だった...?」


「...いい人達でした...。母さんは優しくて...俺は母さんのご飯が大好きでした...。父さんは...いつも厳しくて...だけど...本当は...優しかったです...」


「そうですか...」


「玲華様...?」


「ごめんなさい...ちょっと嬉しくて...」


「嬉しい...?」


涙を拭いて、頷く


「あたし...ずっと考えてたの...要らない人だったのかなって思って...お母さん達は...あたしを必要としてなかったんだって...」


「だけどね...本当のこと分かって...良かった...あたし...嫌われてなかったんだって...」


「母さん達は、嫌ってなんかいません。本当は...すごい愛してると思います。だけど...金銭的にも育てていくのが出来ず、施設に...」


「れ...玲華様...っ」


川嶋さんは、慌ててる


「川嶋さん...」


「は...はい...」


「もし...川嶋さんがあたしのお兄ちゃんなら...なんで苗字は篠原じゃないんですか...?」


「あ、この苗字は偽名です。お父様が変えてくださいました」


「そっか...」


そういうこと...