「親がいてくれるだけで充分!感謝しろよっ」

「うん…」

「…コンビニにいた女の子、俺の彼女なんだ」

広海は、彼女のことを話し始めた。

「名前、美月(みつき)っていうんだけどさ、

美月と出会ったのは、中2の頃。

別に好きでもなかったんだけど、

美月から告ってきて、付き合うことになって。

最初は普通だったんだ。

普通に女の子らしかったし、

でも俺が美月を好きになることはなかった。

もしかしたらさ…
 
気づいてたのかもしんねぇな。

俺の態度も冷たかったんだと思う。

だいぶ付き合って、

『別れよう。やっぱ俺美月の事好きになれなかった』

って言ったんだ。

美月…泣きついて、

『構わない!それでもいいから!』って。

それからさ、束縛がすげぇ激しくなって。

俺さ、親に捨てられて、

施設で育ったんだけどさ。

美月は、ちゃんと親もいて、
 
家もあって。

だけど親が超優しくて、

美月が何しようと何もいわねぇの。

金髪にしようが、
 
家の中で煙草吸おうが、

酒飲もうが、男と遊びまわってようが。

あいつは浮気しまわってんのに、

俺は女と話すだけでもキレてさ。

毎日のようにメールチェックして。
 
女のアドレスは勝手に消すわ、
 
女とのメール見たら、

俺にあーやってカッター向けて。

美月はさ、

本気でそんなことするつもりねぇんだよ。

自分の腕に傷つけるフリすれば、

俺が止める、って思ってるから。

何回も別れ話切りだしたよ?

その度に狂ったように暴れて、
 
煙草に火つけて、

俺の腕に焼き、入れてきてさ」

「…焼き、って根性焼き?」

「うん…」

そう言って、腕を見せる。

そこには、痛々しい傷跡があって。