「海っ海!」 優未は息をきらしながら 海の名前を呼んだ。 「何?」 海はそっけなくそう答えた。 優未は一呼吸してから 「あのさ…海って… 彼女とかいるの?」 とおそるおそる聞いた。 「………いるよ。」 内心、ショックだった。 だけど平然を装って 「…そっかあ! 海、モテそうだもんねっ どんな人なの?」 と言った。 「2個上の先輩。」 海はそれしか答えて くれなかった。 けれどその一言を言った 海の表情はとても愛に みちあふれて幸せそうだった。