「俺は島村海。アドは誰かにもらっといて」


と言った。

優未は
こんなそっけなくて
自分の話に食いついてこない男子は
はじめてで、
逆に興味がわいた。


「わかった!!じゃあ今日中に聞いとくからあたしの事は優未ってよんで??」


「わかった。俺の事も海でいいから」


そんな簡単な会話をしていると
先生が教室に入ってきた。


「ほらーー席つけー」


先生が出欠をとったり、
話をしてる最中も

優未はずっと上の空で
海にどうアタックするかだけを
考えていた。



この時はまだ
自分があんなに苦戦するとも知らずに。