俺は、心の手を外そうとする。
「やっ」
しかし、バッと顔を背けられてしまう。
「…俺を拒否るなんて、いい度胸じゃん?」
俺は自分でも分かるくらいにニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「…へ??」
心は俺の変化に気づいたのか、少しだけ手を緩めた。
「ほら…」
「きゃっ…」
俺はそれを狙って心の両手を掴んでベッドに押しつけた。
「隙だらけ」
「い、意地悪しないでよぉ…」
真っ赤な顔をして潤んだ目で俺を見つめる心…
反則。
可愛いすぎるだろ。
俺、止めらんなくなるよ…
「ふぇっ…音〜…」
心は涙を流した。
泣き虫、心。
でも、泣かせてるのは俺だな。
俺は掴んでいた手を緩めて、心にキスを落とした。
「ん…」
心が、少し漏らす声にさえ欲情してしまう。
涙のせいか、少ししょっぱかった。

