「ヒロ!やっぱここにいた!」


うちわをパタパタと扇ぎながら能天気な男がこっちに歩いてくる。


中山恭平。17歳。
たまに…いや、毎日屋上で一緒にタバコを吸う。
見た目はチャラチャラしているけどけっこう熱い男だ。嫌味がないのでけっこう俺は好きなタイプだ。


「またここから音楽室見てるの〜?今日合コン行くべ!!来るだろ!?」


一週間の始まりはいつもこうだ。
毎日毎日合コン飽きないのかよ。
頼むからそんな嬉しそうな顔でこっち見ないでくれ。断りずらい……


一応考えてるフリをしながらタバコに火をつけた俺は
「パスしとく。」
とだけ答えた。