俺は急いでアキのもとに駆け寄った。



上半身を持ち上げた俺は目の前のアキの姿を見て空を見上げた。


雨が針のように感じてとても痛かった。
だって、あんなに綺麗だったアキが……



見れなかった。
いや、変わり果てたアキを俺は見なかったんだ。



その時俺の頬にアキの手が触れた。


「……ヒロ…」



「アキ!」



必死にアキは何かを言おうとしている。



「何!?聞こえない!アキ!」



俺はアキの手をしっかり握った。
この手を離すとアキは逝ってしまう…。
連れて逝かれる、そう思った。