「アホくさ」
と一人タバコを加えながら放課後、また自分が屋上から音楽室を見つめている事に情けなく感じていた。


「ヒロ!」


ぼーっと上の空になっていた俺は自分を呼んでいる声にビクっとした。
けど俺は振り向かなかった。


「なぁ、恭平。俺やっぱり分かんねぇ。好きって何?」


そんな答えなんて考えても出ないなら考えない方がいい。


そう思ったとき音楽室からピアノの音色が風に乗って聞こえてきた。


俺は開いた口が塞がらなかった。