「悠稀。これは一体どういう事なんだ??」
「見たままだろ」
「詳しく聞かせてよ」
教室に入るとニヤニヤしてる疾風が近づいてきた。
「お前に言うことなんかねーよ」
「そんなこと言うなよ」
ウザい疾風を適当にあしらって席に着いた。
それでも付いてくる疾風。
「なー、前言ってた気になるヤツって優希ちゃんの事だったんだー」
「うるさい」
「素直じゃないなー。そんなんじゃ優希ちゃんに嫌われちゃうよ」
「もともと嫌われてたから大丈夫だ」
そうだよ。優希に好きって言われた時は奇跡的だった。
ん??好きって言われてないぞ。
好きか??って聞いたら頷いただけだったぞ。
「どうした??」
「好きって言われてない」
「はぁ!?でも、両想いなんだろ。それでいいだろ」
「ヤダ。何か悔しい」
今日帰ったら絶対言わせてやる。
「おい。今日の撮影早く終わらせるぞ。しっかりやれよ」
「いいけど。お前、確か天野香織にしつこく迫られてなかったっけ??大丈夫なのか!?」
あ、すっかり忘れてた。
アイツ、自信家でめんどくさいからあんま相手にしたくない。

