「コイツ連れて行くから」
「はい。どうぞ」
3人ともそんなあっさり引き渡さなくてもいいじゃん。
悠稀がどんな人かよく知ってるのに。
てゆうか、帰ってくるなら連絡してよ。
そしたらごちそう準備したのに。
さっき春樹くんの感動のシーン見たからあーゆうの期待してたのに。
黙って悠稀について行くと1台の車が停まってあった。
「これって……」
「俺の」
悠稀ったらいつの間に免許取ったの。
いつも忙しくて後回しにしてたのに。
あたしも免許取ろうかな。
「乗れ」
きつい言葉とは裏腹に行動は優しい。
車のドアを開けて、シートベルトまでしてくれた。
「お、おかえり」
「ん、ただいま」
「帰るなら連絡してよ」
「サプライズだ。でも、まさか男といるとはな」
「違うよ。えれなも一緒にいたもん。疾風くんがお迎えにきていなかったけど」

