事務所が近づくにつれあたしの顔から笑顔が消えていく。



どうしよ…



もし社長に反対されたらあたしたち別れなきゃいけないの!?



そんなの無理だよ。



悠稀がいないとあたし生きていけないよ。



「大丈夫だから」



タクシーの中いつもより少し遠めの悠稀の距離。



だけど、いつもより優しい悠稀の声があたしの体を包み込む。



言葉の節々から心配するなって気持ちが伝わってくる。



よし!!もう大丈夫!!











じゃないかも……



「行くぞ」

「無理」

「何がお前をそんなに不安にさせてるんだよ」

「分かんない」

「はぁーーーー」



悠稀は盛大なため息をついた。



だって、何か怖いんだもん。