五時間目、石崎は戻って来なかったから僕が適当に嘘を吐いた 嘘は得意だから 自分の気持ちを隠すのが上手いからさ だから、氷の薔薇なんて呼ばれるんだよね 「雪、五時間目終わったよ?」 「ぇ、ぁ、雅か…」 今話しかけて来たのは、神宮里 雅(ジングウリ ミヤビ) 僕の親友 僕が、鳳実が死んだことで、落ち込んだ時励ましてくれた凄く大事な人 僕は悲劇のヒロインじゃないからさ 大事な人は残ってるんだ まぁ、映画みたいに現実で人がポンポン死ぬわけないしね