圭吾さんと彩名さんと三人でタクシーに乗って花火大会の会場まで行った。


「わたしはお友達と合流する予定だから」

と、彩名さん

「後は二人でデートを楽しんでちょうだい」


「その前に彩名の友達の強烈な歓迎が待ってるんじゃないのか?」

圭吾さんがぼやくようにつぶやいた。


圭吾さんの言う意味が分かったのは花火会場に着いてすぐ。


「彩名ぁ!」


わっ! 華やかな浴衣姿のお姉さんズ

いち にぃ――五人?

あっという間に囲まれた。


「あらぁ圭吾くん久しぶり」


「どうも」

圭吾さん、無愛想だよ


「イケメン度アップしたねぇ」

「ホント、もっと前にツバつけときゃよかった」


こわい……


「ねぇ彩名、この子 この子?」

「そう。従妹の志鶴ちゃん」


「あ……こんばんは」


「かっわいい~!」

「意外。圭吾くん、こっちの趣味だったんだ」


こっちってどっち?


「パクッって頭から食べられちゃうんじゃない?」