人混みの中に誰かを探している奏の姿が見えた。 幸い、まだ私たちには気がついていないらしい。 「な、何をする気?」 「フフーン♪」 すると麻弥流は何か企んだような笑顔を見せると片手を上げた。そしてーーー ………ま、まさか!! 「麻弥…「おーい、奏〜!!」 や、やっちゃった……。 「ん? なっ…!?」 奏は私たちに気づくと、顔をしかめてズンズンと近寄ってきた。 「まっ、麻弥流、これって逆効果なんじゃ……」 「クスッ、いいから見てて?」