俺は寧々に手を伸ばした。

パシッ

「触らないで!」

「!?……っ…」

「ぁ……私…っ」

ダッ!

「寧々!!」

私は奏の手を叩いてしまった。その場にいるのが辛くて気づけば走って教室を出て、ある場所に向かっていた。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

バタン

「はぁ…はぁ…はぁ…」

私、どうかしてる…。

本当に奏がどうなろうと知ったことじゃないのに……

2人だけの秘密がバレたってどうでもいいはずなのに……さっきから頭の中でずっと繰り返しされる言葉…。

“2人だけの秘密な”

何で…?何でよ…?

何でこんなに胸が苦しいの?