「おにぃ〜ちゃん!」 「…え?」 家へ入ったはずの結がそこにいる。 ニヒヒと笑って。 不覚にもその顔は確かに俺とそっくりだった。 「ママが泣いてる。 お兄ちゃんとなんかあったんだろ?」 違うよ、結。 俺が一方的に…… 「あのね、悪いことしたらごめんなさいだよ? どんな悪いことやっても先ずは謝んなくちゃいけないんだ。 それからのことは、その後考えればいい」