「そうか…」 『ん。 じゃあそろそろ行くから。 じゃぁな』 結の手を握って、道を歩いて行く。 けど、さっきの彼の顔が頭をちらつく。 表しようのない、不思議な表情。 …おかしいな。 そんなハズない。 ……………あたしに恋愛なんて あっちゃいけない 結が産まれた時、そう誓ったのに。 なんでだろう。 名前も知らない彼の顔が、離れなかった―――