「なぁ…結、お前のママは誰だ?」 「??? 俺のママはゆにだよ」 …終わった。 ばれちゃったよ。 「まさか子供いたなんて…」 彼のぼやいた言葉は風に消されてよく聞き取れなかった。 「高校生がんな金あんのかよ」 いつのまにか結からあたしへ目線が移ってて。 『あ…あぁ。 両親の遺産が…』 そう、あたしは6年前に2つの命を無くした。 両親という、かけがえのない命を。