「あ、いや…。俺さぁ、さっきまで我忘れて作業してて。知らない間にお前に電話してたみたい。さっき俺何て言ってた?」

「今から…行くって、言ってたよ」

「…そうか……」

今から行っても構わないが、それより永原の事が気になる。

「今日は…来れない、の?」

蒼井の表情が曇るのが分かる。

「あぁ、わりぃ。これから急ぐ用事があるんだ」

「そっか…。それじゃぁ、仕方ないね……」

再度謝罪を述べてから、電話を切った。

そして永井に電話をかけた。

…やはり出ない。

また後でかけ直す事にして、作業場の片付けが出来ているか確認しに行く。

我を忘れていても、作業場を綺麗に片付けてはいるが、確認しないと夜も心配で眠れない。