羨ましいと思い、嫉妬した自分がよく解らない。
「…お前も喰うか?」
じっと見つめていた私に気付き、いつくり抜いたのか新たな眼球を差し出した。
私は無言で首を振る。
「…そうか」
純は残念そうに言うと、手にしていた眼球を口に含んだ。
恋人の料理でも食べているかの様に幸せそうな顔をしている。
その表情が堪らなく愛おしい。
眼球を胃袋に流し込むと、純は次の作業に取り掛かった。
メスで女の口の両端を耳に向かって切り“口裂け女”にした。
大きく開かれた口に純は手を突っ込み、ポケットから取り出した肉切りバサミでダラリと充血した舌を切り落とした。
切り落とされた舌は銀のトレイに乗せられ私の横にある机に乗せた。
まじかで舌を見て、初めて吐き気がした。
生理的に涙が溢れる。



