左手で右目の瞼を押さえ、右手の中スプーンを眼球の隙間に差し込んだ。

グチュグチュと耳を塞ぎたくなるような水音が部屋を支配する。

口に手を当てながら、異様な光景を見つめていると、窪みからダラリと眼球が神経の束を命綱として垂れ下がった。

「っ…!」

悲鳴が出そうになり、慌てて口に当てている手にグッと力を込めた。

純はスラックスのポケットに差し込んでいたメスで神経の束を切った。

命綱が切れた眼球は純の手の中に落ちた。

純は眼球を眺めニヤリと唇を吊り上げる。

そして次の瞬間、純は生のまま眼球を口の中に放り込んだ。

目を瞑り、夢中で租借し嚥下した。

「あぁ…うめぇ……」

遠くを見るような瞳、薄ら笑いを浮かべた口。

その姿はまるで妖艶な悪魔。

ドクンと心臓が高鳴る。

男なのに美しいと感じてしまい、目が離せない。

一瞬、私もあんな風に食べられたい、そう思ってしまった。