純から手渡された茶封筒はいつもより重みがあった。

「まいどあり。…あのさ、今日は最後まで居てもいい?」

純のお客を連れて来てしまった。

純はあんな事言ってくれたけど、罪悪感でお金貰って帰る、というのは気が引けた。

「え?」

私の気も知らないでマヌケな顔するから大げさに溜め息を吐いて見せた。

「女が肉片になるまで、見てていいかって聞いてるの」

中身は重みで見なくても多い事が分かるので、確認せずにバッグにしまった。

「それは別に構わないけど。何で急に?」

「見ておきたいからよ」

“罪悪感”とか自分に言い訳してるけど、本当は純ともっと一緒に居たいだけ…なのかもしれない。

いや、居たいだけなのだ。

純は「20分経った」とか言って、奥の作業室へ入って行った。

私もその後を追う。

部屋には前に見た実験台に女が全裸で横たわっていた。