永原は蒼井の存在を知らない。

だから持って来る可能性は無いとは断言できないのだ。

「何してるの?小さくて結構可愛い顔してるよ?」

小さい…この中に入っているのは蒼井なのか?

意を決してトランクをゆっくりと開ける。

「こいつ…」

「どうしたの?…可愛くなかった?」

俺の予感は完全には当たらなかった。

かすった程度…と言うべきか。

中で眠っていたのは黒子愛美だった。

「こいつ俺の客」

「えっ!?」

「あ…ごめん。知らなかったから…その……」

「大丈夫。ナンバー1になる俺には沢山客は居る。一人減ったところで、どおってことない」

時期が早まっただけで、最初から喰う予定だったんだ。