家中にチャイムが響き、永原が来た事を知らせる。

「入って」

いつもの大きなトランクを持った永原を家にあげる。

「重かったぁ…」

永原からトランクを受け取って、地下室に直行する。

永原は俺の後ろを、肩を回しながら付いて来る。

トランクの中身にあまり衝撃を与えたくないので、少々重いが我慢して両手で持ち上げ階段を下りる。

踏み外さない様に細心の注意を払う。

漸く地下室に下り、トランクを押しながら親父の女コレクション置き場だった部屋の手前の扉を開けた。

この部屋は鉄格子で分けられている。

親父の元、物コレクション置き場だった所を改造して造った監禁部屋、またの名を殺戮部屋。

部屋の9割が監禁部分で、1割は外に繋がる白い扉がある。

その鉄格子の向こう側にトランクを押して入る。

永原が鉄格子の扉を閉める。

それを確認すると俺はトランクの鍵を解除した。

「どんな子かなぁ…」

少し緊張しつつも慣れた手付きでトランクを開ける。

口を開けたトランクの中には、膝を抱え小さく丸まった意識の無い少女の様な女が入っていた。