「ありがと。君も綺麗だよ」

「ふふっ、ありがとうございます」

エリカは礼を言いながら酒を作り始めた。

差し出された酒を飲みながら、写真を目にした時からの疑問を聞いてみた。

「君はそんなに綺麗なのに何でキャバ嬢やってんの?…その顔ならモデルとかもっと他の世界があっただろ?」

酒を口に含んだエリカは困ったように笑った。

「昔、やってた事がありました。でもモデルで食べていける程上手くいかなくて…。私にはお金が必要だった。どうしても。だから私はキャバクラで働く事にしたんです」

エリカはグラスを傾け、小さな口に酒を注いだ。

「でもこの仕事も上手くいってなくて。メイクも苦手だし、髪を盛るのは好きじゃないし…」

「何でそんなに金が必要なんだ?」