俺も地下室に女を連れ込んでいる。

目的はだいぶ違うが立っている入り口は親父と同じだ。

今は地下室に10体の女は居ない。

親父が生前、自ら警察に連絡していたらしく、親父は24年前(当時)の連続殺人犯として世に報道された。

20年以上前の行方不明者と母を除く9体の遺体が、一致している可能性が高いので、俺は疑われずに済んだ。

親父はなぜ自白したのか…一生の秘密にしても良かったのではないか。

もしかしたら親父は自分のコレクションを披露したかったのかもしれない。

親父はもう死んでしまっているので確かめる事は出来ないが、俺はそう思っている。

白い地下室の大広間に立って昔話を思い出していると、ジーパンのポケットでケータイが鳴った。

今のケータイは性能が良く、地下室に居ても電波が届く。

「もしもし」

地下室に俺の声が響く。

『今から行くから』

用件だけ言うと勝手に電話を切られた。

電話の相手、彼女ではなく俺のビジネスパートナー。

“永原雅(ナガハラミヤビ)”