女は玄関に入ると階段の真下に向かった。

「早くここを開けてちょうだい」

驚いた。

地下室へ続く階段を簡単に見つけやがった。

俺は目を見開いて女を見た。

「そんな顔、イケメンが台無しよ」

「なんでそこが……」

「血の匂いで直ぐ分かるわ」

犬かっ!?この女は犬なのかっ!?

「いいから早くここを開けて」

この女、厄介だ。

地下に下りたら殺してやる。

俺は言われるまま、地下への入り口を開けた。

女はスタスタと階段を下りて暗闇に消えたかと思うと、勝手に電気を点けて奥へ歩いて行ってしまった。