俺たちの出会いは突然だった。

あの日は涼しくて、満月が綺麗な夜だった。

「ふあぁ~。…あぁ眠っ」

朝からホストクラブで女の相手をしていた俺は、さっき仕事が終わってメシを何処で食べるか、新宿の街を捜し歩いていた。

辺りをキョロキョロしていた俺は前方から歩いていた人と、肩がぶつかってしまった。

やべっ………。

怖い兄ちゃんが多い、しかも夜に!

慌てて後ろを振り返った。

「…ぁ」

ぶつかった相手は背が小さくて華奢な女だった。

女は虚ろな目で俺を見上げていた。

げっ!薬野郎っ。

「あの…大丈夫……?」

そう声をかけると女は一瞬目を見開き、次の瞬間には怪しい光を宿していた。

なんだ、この女!?…気持ちわりぃ。

「貴方人を殺した事あるよね?」