今も仕事にはなるが、ホストではない。
だから蒼井から大金を素直に受け取れない。
でも毎回言っても、毎回多く入っている。
そしてその度に要らないと言えば、泣きそうな顔をする。
俺は蒼井を泣かせる趣味は無い。
「はぁ…わぁーったよ。いつもありがとな、助かるぜ」
ここは俺が折れるしかない。
蒼井は嬉しそうな顔をする。
俺は茶封筒をスーツの内ポケットにしまう。
そしてぬるくなっってきた珈琲を、一気に飲み干した。
空のマグカップをテーブルに置くと、蒼井が動いた。
「ねぇ……」
俺のスーツのジャケットを脱がしながら、蒼井は俺に唇を押し付けてきた。



