そう言って蒼井はニッコリと笑った。
「はい。これ…今回の、です」
蒼井は茶封筒を差し出した。
受け取り、中を確認する。
「あのさ…毎回言うけど、約束の金より多いぞ」
約束の額はリットル数と比例した額としている。
だが蒼井は毎回数枚多く、弊紙を入れる。
「だから運賃も入ってるって…毎回言ってるじゃない」
「毎回要らないって言ってるよな?」
「…やだ。それは、私の気持ち。…だからいいじゃん」
俺は女に大きな金を払わせたくない。
俺はホストだけどそれは仕事で、今は違う。
仕事の時は女からどれだけ大きな金を出させたっていい。
それは俺の利益に繋がる。



