このタンクは5リットルで満タンになる。
血はタンクに刻まれた目盛りの3と4の間より少し下をさしていた。
「3.4リットルね…。あ、珈琲…入れておいたから、ダイニングで待ってて。…今お金、持ってくるから…」
「お、サンキュー」
俺は手を洗ってから、ダイニングへ向かった。
ダイニングの扉を開けると、中から香ばしい珈琲の香りが俺を包んだ。
まるで俺の体から血生臭さを掃ってくれているようだ。
珈琲の入った白いマグカップを手に取り、血の臭いで麻痺しそうな鼻に近づける。
そして湯気の出る珈琲を口に含む。
「あぁ…うめぇー」
感想を漏らすと同時に、背後の扉が開いた。
「良かった…。純君が、美味しいって言ってくれると…淹れた甲斐がある」