俺はナンバー2になって、十分成長した。

「これからは毎週この子と一緒に来るわ。貴方がどんどん成長するのを見ていてとっても楽しかったわ」

今日が陽子さんと飲む最後。

「今日は貴方にそれを伝えたかったの。私はもう行くわ。あの子をご指名しなくちゃっ」

陽子さんはとっても楽しそうだ。

それに比べて俺は…失恋した気分。

陽子さんが俺を認めてくれたのは嬉しい事なんだけど、これから陽子さんに
ご指名が貰えないのは寂しいな。

陽子さんは立ち上がって扉へ向かった。

「えっ本当に行っちゃうんですか?」

今日は陽子さんに驚かされ過ぎだ。

最後なのに乾杯もしないのかよ…。

「えぇ。月1ぐらいで指名するから」

「寂しいですけど分かりました。俺、頑張ります」

陽子さんは笑顔で扉の向こうに消えた。

一瞬で個室が広く静かに感じられる。

「あの…」