「…。それじゃぁアリサちゃんにこれあげる」
持っていたジュースのグラスにキスをして、彼女に渡した。
「デートの事は誰にも内緒だよ?」
彼女にウィンクをすると、わかったと彼女もウィンクを返した。
「頑張ってね。また来るわ」
俺は営業スマイルを彼女に贈ると、今度こそ腰を上げて彼女のテーブルを後にした。
「桜田様より個室でご指名が入っております」
用件を伝えると髪の長い青年は頭を下げた。
俺は礼を言ってから、個室へと向かった。
次のお客様は大富豪の奥様で俺をナンバー2にしてくれた一人。
大富豪の奥様だから顔もスタイルも綺麗な人。
若かったらもっと綺麗だったに違いない。
俺は個室の前まで行くと、しっかり髪型を整えてから扉をノックした。
「ユウマでーす」
いつもの様に声をかけてから扉を開けた。
「どうも陽子さん…ってあれ?陽子さん、その子は?」



