巨大冷蔵庫の中には幾つもの棚が並んでいる。

今はその棚には何も乗っていない。

空っぽの巨大冷蔵庫。

佐々木麻央肉が乗ったワゴンを中に入れ、分厚い扉を閉める。

先ず目の前の棚に頭部以外の肉片や骨から削ぎ取ったクズ肉を置いていく。

棚の左側から、肩や胸の上半身部分の肉片を置き、左側に行くにつれて腹や足の下半身部分の肉片を置く。

ちょうど棚の上で人が横たわっている様な置き方になる。

続いて左側にある棚にラップで包んだ臓器を置いていく。

並べ終わった佐々木麻央の肉を眺め、明日の夕食は何にしようか考える。

今回は永原が早い時間に来てくれたお蔭で、日付が変わらない内に全ての作業を終える事が出来た。

生首の入った鍋とタンクを乗せたワゴンを寒い巨大冷蔵庫から運び出す。

そしてワゴンを地下室の隅に置くと、鍋だけを持って地下室を出た。