その生首の生え際に沿ってメスを入れ、一周したところで皮膚の下に指を入れ髪を引っ張り、頭蓋骨から毛根付きの皮膚を剥がす。

その頭皮と髪の固まりはゴミ袋に投げ入れた。

頭蓋骨が剥き出しになった生首をステンレスのトレイに乗せ、舌の隣に置いた。

これで頭部の作業は終わった。

次は胴体だ。

あまり大きいとは言えない、右側の乳房の周りを、なぞる様にメスを入れる。

左手で乳房を掴み上げ、切開した所に肉切り包丁をあてがう。

スポンジケーキを横に切る様に、乳房の根元を切って行く。

乳房の肉は柔らかいので簡単に切り取る事が出来た。

切断面は赤い肉に脂肪の粒が浮いていた。

例えるならハム。

左側の乳房も同じ様に切り取り、トレイに乗せて頭蓋骨が剥き出しになった生首の隣に置いた。

ここからは俺の大好きな作業に入る。

鎖骨の下辺りに水平にメスを入れ、その線に垂直に交わる様に臍を通る線を入れる。

そのT字を内臓を傷付けないようにメスで更に深くなぞる。

血は滲み出る程度で噴出したりはしない。