俺はいつもの様に、まな板の上で全裸で横たわる佐々木麻央の最後の姿をデジカメにおさめた。

今まで喰った女達は写真とデータがファイリングしてある。

これでまた1ページ増えた。

デジカメを置き今度は医療用メスを手に取る。

そのメスで左手首の脈を切り、血が溢れ出す小さな切り口に、使い込んで変色した細いゴムチューブを差し込む。

そのゴムチューブはタンクに繋がっている。

20分後、女の全身の血をタンクに移し、血抜きは完了。

売り物になるので、血液が酸化する前に満タンになったタンクの蓋をしっかり閉める。

メスで切った左手首が赤黒く口を開いている。

つやつやしていた肌は青白く潤いを失い、張りを無くした皮膚が細かい皺を作っている。

俺は作業場の隅に置いてある鉄製の机の前に立った。

机の上には医療用メス、出刃包丁、肉切り包丁、中華包丁、オノ、ナイフ、大中小の3つのスプーン、同じく3つのフォーク、ペンチ、バリカン、毛抜き、ゴムチューブ…などが一つずつ綺麗に並んでいる。

そのどれもが使用後に洗っているので道具はいつも綺麗だった。

俺は綺麗な道具の中から、中スプーンを手に取った。