煙草をふかしながら純の言葉を思い出す。
『…汚したら食べないの?』
『あぁ。肉になる女は絶対に汚さない』
逆に言えば食べない女は汚す。
殺されない保険代わりに汚してもらいたいな。
もし私を食べたら純は確実に死ぬ。
それは私が好きだから?
ううん、違う。
私は心の中で即座に首を振った。
純は私が居ないと女を地下室に連れ込めない。
純は親父さんの事もあって、家の場所が知られている。
それにテレビでは家と加害者である親父さんの写真しか報道はされていないが、芸能人のプライベートを扱う雑誌などに純の写真が載ってしまった事もある。
私はその雑誌や裏サイトなどを目にした事がある。
だから純は外で女に声をかける事すら安易ではないのだ。
肉が手に入らなければ死んだも同然なのだ。