「おまっ!………俺がどんだけ心配したと思ってんだよ!?三日間起きなかったんだぞ!!」
目覚めてくれた安心、笑っている雅への怒り、自ら死を選んだ悲しみ…………。
様々な感情が俺を支配し、気付けば荒々しい声をあげていた。
「ごめん……なさい…」
雅は母親に叱られた子供の様に切ない顔で、俺に頭を下げた。
「お前を…雅を苦しめてたのは、俺…なのか?」
不安気に問う俺に、雅は首を横に振って否定する。
「…俺に、話して」
今度は首を縦に振って、俺に目を見た。
「…私は純が好き。こんな言葉じゃ足りないくらい。…ただ」
そこまで口にすると雅は俯き、白いシーツの上に乗る自分の両手を見つめ、
「その気持がすべての判断を支配して、上手く自分をコントロール出来なくて、狂って…。どうしても私を食べて欲しかった。純の一部になりたかったの。…今でもその気持ちは変わってない。体を重ねちゃったけど、死ねば食べてくれるんじゃないかって、そう思ったの。だから…」
左手首に巻かれている包帯を撫でた。