「なぁ…いつまで俺を一人にする気だよ」

あの日泣いた目尻にキスを落とした。

すると、おとぎ話の様に雅は目を覚ました。

「…ッ……ん…純?」

「雅!!」

思わず起き上がった雅を抱きしめた。

「うっ…じゅ、純苦しいよ」

嬉しくて目を瞑っている俺には見えないが、多分雅は苦笑いをしている。

「あぁ良かったぁ。このまま雅が起きなかったらって、俺不安で…」

抱きしめる腕に力を込めると、背中を叩かれたので抱擁から開放してやった。

「あぁ~殺されるかと思ったァー」

胸に手を当て大袈裟な溜息をつくと、雅は意地悪な微笑を浮かべる。