関川という細長い男が尋ねる。

写真の女はこの前殺した秋菜だった。

「この女性、森川秋菜と言います」

俺が返事をする前に関川が口を開いた。

「この女性が生前に残したと思われる遺書に貴方に殺されると…書かれていました」

「一週間程前から帰宅しないと大家さんの方から私たちに連絡が来ました」

逃げられない…?

「その遺書に書いてある事が事実だという証拠はあるんですか?」

こんな所で捕まる訳にはいかない。

「私たちはそれを裏付ける為の調査の段階です」

俺はまだ容疑者と言うことか。

「あ、このヒールは誰のですか?」

関川が足元のヒールに気が付く。