俺も体を起こし、雅を見つめ返した。

「純は汚れた肉は食べないんでしょ?だから一緒に仕事してても私は汚れてなかったから…いつか食べられちゃうんじゃないかって不安だったの。ごめんなさい」

ずっと俺を見つめていた瞳は潤い、涙が溜まっていた。

「謝るな。俺はずっと雅が好きだったんだ」

俺は何人もの女をこの手で殺してるし、雅の目の前でも女を殺してる。

身の危険を感じて不安がるのは無理もない。

「愛してるんだ。雅を殺したりなんかしないよ…」

安心させる様に優しく抱きしめる。

抱きしめる俺の手に雅の手が重なる。

「でもね…肉になる女に嫉妬してたの。私も食べられたいって」

驚いた俺は体を離し、雅を見た。

「へ…?」

「不安は抱かれて無くなった。私ってこんなに嫉妬深かったかな。…ねぇ、私を食べて?」

返事に困る。