スタンドの光が優しく部屋を照らす。

今まで何人もの女を抱いてきた。

それはセフレでだったり、性欲処理だったり、あとは小遣い稼ぎで体を提供したり。

“気持ちよくしてやる”“気持ちよくなる”という思いだけで腰を動かしていた。

だが今回愛する女を抱いて、初めて“気持ちよくしてあげたい”“一緒に気持ちよくなりたい”と本気で思った。

「なぁ、俺ドSだっただろ」

ニヤリと笑って余韻に浸る雅の髪を撫でる。

「えぇ。あれは猛獣よ」

目を瞑り頬を膨らます雅は、ついさっきの行為を思い出しているのだろうか。

「次は優しくするよ」

そう言って膨らむ頬を突く。

「私…少し焦ってたみたい」

「ん?」

薄暗い部屋に浮かび上がる天井を見つめる雅。

その表情は真剣で、でも何処か不安が混ざっていた。

「不安と嫉妬で気持ちに整理がつかなかったの」

雅は溜め息にも似た深呼吸をして、ベッドに上半身を起こし、泣きそうな顔で俺を見つめた。